高校2年生の夏休みに、南アルプスの三伏峠小屋で23日間(8月1日入山〜8月24日下山)、住み込みのアルバイトをしてきた。
日々の出来事は前半・後半の日記に書いたので、この記事では「実際どんな仕事をして、どんな生活環境で、給料はいくらだったのか」を、僕が実際に働いてみて感じたことベースでまとめていく。
前半・後半の日記はこちら。


バイトすることになったきっかけ

2026年の3月頃、学校の授業でたまたま三伏峠小屋の小屋番の人が来てくれた。部活の顧問の先生とのつながりがあって、その時に「バイトする?」とお誘いがあり、夏休みにやることになった。部活の顧問とのコネって感じだ。部活が同じ友達と一緒に働いた。
もしこの夏休みに山小屋バイトをしていなかったら、本当は自転車で日本一周(できるとこまで)をする予定だった。去年の夏休みから計画してたんだけど(去年はバイクの免許とバイトで無理だった)、旅をするお金がなかったから、山小屋バイトを取った感じだ。普通のバイトは嫌だったから。
1日の流れと休日
基本的な1日の流れはこんな感じ。
- 5:30〜5:40頃:起床
- 5:45〜8:00頃:仕事開始。お客さんの朝食の片付け・皿洗いをしたり、みんなで朝ごはんを食べたり、水上げや掃除をする
- 昼前後:1.5〜3時間程度の休憩(その日の忙しさ次第)
- 午後:途中で3日に1回程度お風呂に入ったり、お茶休憩をはさみながら働く(受付・食堂・賄い作りなど)
- 19:00〜19:30頃:自分たちの夜ご飯などの時間も含めて仕事終了(当番の日は19時半に発電機を止める消灯作業)
- 21:00〜22:00頃:就寝
休日は、お客さんの入り方や天気を見て、その日に休む人数を決めていた。午後だけ休みの日(半休)もあった。
仕事内容
実際にやった仕事はこんな感じ。
- 受付・売店:お客さんのチェックイン対応や、バッジ・飲み物の販売。最初は難しかったけど、だんだん覚えてきた。
- 食堂:ご飯の配膳や皿洗い。
- 掃除:布団畳みや掃き掃除など。
- 外トイレの掃除:ぼっとんトイレの清掃。えぐかった。この時代にこんな経験出来るの珍しいねってくらい(詳細はご想像にお任せします)。
- 水上げ:朝にポンプを稼働させに行くだけの仕事。交代で基本的に毎日やる。一人で30分くらい暇してれるので嬉しい。
- 賄い作り:スタッフの夜ご飯作り。
- 消灯作業:毎日19時半に発電機を止める仕事。
- その他の作業:6合目付近から登山道整備のための足場(約15kg)を運んだり、小屋の裏の排水溝にたまった泥をどける作業をしたりした。

山小屋での生活環境
実際に住み込みで生活してみてどうだったかをまとめておく。
| 項目 | どうだったか |
| 食事 | 朝・昼は小屋番さん(ずっといるベテランさん)が作ってくれて、夜は僕たちで賄いを作っていた。食べ物には全く困らず、毎日満腹まで食べられた。ごはんおいしかった |
| お風呂・洗濯 | 3日に1回程度。ため湯を体にかけながら、シャンプーとかも普通に使って体を洗える。その際に二層式洗濯機で洗濯もできた |
| 部屋・寝具 | 最初はスタッフルームが足りなかったので、僕たち後半組はお客さんが入っていない部屋で寝る感じだった。前半組が帰ってからは、その人たちの個人部屋で寝られた(全面に布団を敷けて嬉しかった)。寝具は敷布団と掛け布団 |
| 寒さ | 部屋に暖房はない。夜は10度〜20度ないくらいまで冷えたはず。友達はあんま寒いって言ってなかったから僕がかなりの寒がりなのが原因かもだけど、掛け布団が薄めだったので最初はめちゃくちゃ寒かった(途中から掛け布団を増やしてもらえたので、それなりにあたたかく寝れた) |
| 電波・ネット | スマホの電波は入らない。ただ、2日目から山小屋のスタッフ用Wi-Fi(Starlink)に繋げることができたので、快適なインターネットライフを送れた |
| 充電 | 日中に充電スペースでのみ充電できた。夜は発電機を止めて、ソーラーパネルで蓄えていた電力で山小屋の電気をまかなうため充電できなくなる。モバイルバッテリーの充電は小屋で禁止されているので、そこは苦しかった(休みの日に山へ行くとき、スマホのバッテリーが持つか心配だった) |
持って行って良かったもの・後悔したもの

入山するときは、無線機とかいろいろ積みすぎて飲み物抜きで約20kgの荷物を背負って登った。具体的に何を全部持って行ったかは覚えていないので、持って行って良かったものと後悔したものだけ書く。
持って行って良かったもの
- 身体とか頭とかを拭くシート:毎日お風呂に入れるわけではないので役に立った。
- クロックス:小屋の周りや普段履くのに便利。僕は途中で自分の登山靴をお客さんに譲ってしまったので、休日登山や下山でもこれを使った。
- アタックザック:休日の登山用。
- ヘッドライト:山小屋生活や登山での必需品。
- アマチュア無線機・アンテナ:休憩時間に小屋の近くの開けた崖に行って、モールス信号(CW)で初交信できた。
あとは特別いるものはない感じ。
持って行けば良かったと後悔したもの
- ちゃんとした防寒着:真夏だけど夜はかなり冷えるので、防寒着はちゃんと持ってこればよかったと後悔した。
給料と、山で使ったお金
23日間(8月1日〜8月23日)働いた給料は、179,590円だった。下山した日に本社で手渡しでもらった。
- 日給:10,000円(最初の1週間は9,000円)
- 休日・半休:休日はもちろん給料は出ない。午後休みの時は半休扱いで半額になってたはず。
- 交通費:10,000円出た。
- 生活費(食費・宿泊費など):完全無料。
山にいる間に使ったお金は、休日に他の山小屋へ登山したときのジュース代とカップラーメン代くらい。ちなみに僕は途中で、靴が壊れて困っていた外国人のお客さんに自分の登山靴を3万円で譲ったので、それも合わせると手元のお金はもう少し増えた。
やってみて思ったこと

下山して給料を手渡しで受け取ったときの気持ちとしては、正直なところ、「大金だけど、貴重な夏休みを費やしたと考えると悲しいな」って気持ちだった。
経験はプライスレスだけど、山小屋バイトをするために犠牲にした、やりたかったことが無数にあったからそういう気持ちになった。
休みの日には塩見岳や小河内岳、悪沢岳に登れたし、TJARの選手にも会えたし、小屋の雰囲気もとても良かった。
ただ、率直な感想としては「すごくいい経験になったけど、違うこともしたいから、同じ時期に同じ場所でやることはもうないかな」って感じ。吸収できるものはだいたい吸収できたと思う。
来年は車の免許を取って、時間を作って旅がしたい。
山小屋バイトの1日ごとの詳しい記録や、休日に登った塩見岳・小河内岳・悪沢岳の記事はこちら。


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